暗い海
静かな瀬戸内海。
時折聞える釣り人の竿を振る音がその静けさを象徴するように響いてきました。
砂浜
帰り支度が面倒でだらだらと無駄に過ごす時間

 

「??」

 

わずかに沖が波立った音する。
ある程度質量のあるものが暴れた感じ。
次の瞬間水中から何か打ち出されたような音が響き渡りました。

 

「あっ!いる!!」

 

暗くて姿は見えない。でもそんなに遠くない海に確かにいる。
繰り返す発射音。

 

ブレス

 

クジラ系の息継ぎの音です。
良いキャンプ体験。それはふと思い立った燃焼実験の為のデイキャンプの日でした。

1 自作の燃料とブッシュクラフト的スキルを試したかった日

時間が取れた前日は豪雨。
そして雨が上がったと思ったら、低気圧のせいか風が強くなりました。

 

「こりゃ駄目だ!」

 

既に荷物を積んだ車を走らせていましたが強まる雨風。途中撤退を余儀なくされました。
しかし近々どうしても試してみたいことがありました。
ひとつ目はSNSで教わった石の上でコンパクトな焚火台を使うという事。
ふたつ目は薪を切った際の出た木クズで作った燃料がどのくらい燃えるか試す事。
特に自作の燃料はロウで固めた為水気があっても燃えるはず。
ならば雨の日こそ最高の実験日だと意気込んで出発したものの風には勝てずにリタイア。

その翌日

無理やり時間をこじ開け海に向かいました。
デイキャンプでしたかったこと
ただこれをやりたいがためだけに、でもそれが純粋なアウトドアマンであるとも思っています(笑)
温かくなった海は明るいうちは何組かのバーベキュー組がいました。
その片隅で一人自作の燃料の実験に来た男。

まさにソロキャンパー

自作の燃料

そしてこれがロウで固めた木クズ。
既に焚火台は設置してひとつ目の目標は達しました。
あとはこの燃料がちゃんと燃えるか実験。
着火に成功した自作の燃料
ユニフレームのスティックターボⅡを使う事で想った以上に簡単に火が付きました。

これは期待できそう!
自作の燃料に火をつける
徐々に上がる炎。
時を経ず燃え上がりました。
燃え上がった自作の燃料
満足のいく火力!そして着火性!
でも1点物なので次にもう一度作るかという分からない燃料。
ただ一度の実験検証。次はもうやらないかもしれない。
しかもこの瞬間に本日来た目標をすべて達成しました。たったこれだけの為に来たのですから(;^_^A
でも無駄ではありません。
実験した燃料でコーヒーを飲む
まさに勝利の美酒!
持ってきた缶コーヒーを温め海を見ながら飲む。
缶コーヒーを温める
なんとも幸せな時間。
ぼ~っと眺めていると、撤収中のバーベキュー組がこちらを見ている。
そう!これはヒロシさんも使っているまっこりカップだよ。
まっこりカップ

でも実際は「ホントに一人で来てるww」くらいだったんだろうと思います。
いいもん。オジサン気にしないから(涙)

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2 海の音を聞き米を炊きカレーを食らう

燃料がどのくらいの時間燃焼しているか想像がつきません。
なにせ1点もので無計画なものですから。
でもこの日の晩御飯はカレーと決めていました。
海で食べるカレーはまたひと際美味しい!
お米を炊く
自作の燃料で炊くお米。

 

いつ燃え尽きるか・・・

 

そんな不安から周りの小枝は集めておきました。
使うクッカーは絶対的な信頼を置くスノーピークのアルミパーソナルクッカー!
ロゴが見えないアルミパーソナルクッカー
既にロゴも見えにくいくらい使い込んでいます。

これならば失敗しないクッカー!あとは火力が担保できれば間違いなく美味しいご飯になる!
火力が落ちだす燃料
願いむなしく徐々に火力が落ちる燃料。

 

これは無理だ!

 

追加で小枝などの燃料を投下してなんとか炊飯。
カレーを温める
残り火でカレーを温めて半額になっていたマカロニサラダを加えて完成!
海で食べるカレー
今宵の晩御飯!
ロウで固めた燃料は煤が激しく着くのでテーブルに置くと激しく汚れて取れない事すらあります。
それを気にしなくてよくなったのがこのテーブルのお陰。
黒いので煤の汚れが目立たないから安心して置けます。

海で食べるカレー
海で熾火を見ながら食べるカレー!

うまい!

思わず声が出るけども既に周りは誰もおらず一人です。
この静けさ。贅沢。

3 何も見えない。でも確かにいる!

海を愛でるキャンプ
枝を足しながら炎と海を眺める時間。
この日の瀬戸内は波の音もしませんでした。

 

かつて住んでいた瀬田の唐橋の方が水の音がしたぞ!

 

それくらい静かな海でした。

 

シュッ!

 

恐らく見えない向こう側に釣り人がいて竿を振っています。
もしいるうちに出会ったら釣果を聞きたいところ。
でもそろそろ帰る時間・・・。片付けも面倒だとごろりと横になって無駄な時間を過ごす。
無駄であっても無意味ではないこの時間。
夜になる海
画面で見るより暗くなった海。

潮時かな

そんな折に聞えました。

 

ゴボッ!

 

質量を感じる水の音。

 

ブワッシュ~~!

 

短い!しかし近い!これはブレス!
スナメリが近くにいる!
瀬戸内海の生態系の頂点に立つ(多分。最近シュモクザメもいるからホントは不明)小さなクジラです。

ゴボッ!ブワッシュ~~!ゴボッ!ブワッシュ~~!

確実に複数いる。
何も見えない。
ただ音が聞こえる。そして存在を感じる。
見えない分だけ感覚が研ぎ澄まされた気がします。
同じところを回っている?音から位置を探します。

 

餌を追っているのか??

 

そんなことを想像する動きです。
頻発するブレス音。そして小さく爆ぜる薪の音。

来てよかった。

一体どのくらい時間が経ったのか、数分だった気もすれば数十分だった気もします。
いや多分数分(;^_^A
ブレス音も聞こえなくなり帰る気分になりました。

きっとあの釣り人は今釣れてないだろう。あれだけスナメリが暴れると魚も逃げますからね(;^_^A

4 スナメリを感じる良き夕べ

燃えカスを改修する
燃えカスはアッシュキャリーに入れて持ち帰ります。

小さな焚き火ならこれくらいのアッシュキャリーが荷物が少なくていいですね(笑)
荷物を収め重量感たっぷりになったザックを腰に気を使いながら担ぎます。
ULの方を学ばなきゃな。そんな気分で撤収。
ありがとう!スナメリ!
また来よう!次は見れるといいな。

 



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