「おうちキャンプにおすすめの本を探している方へ――」
ゴールデンウィーク。街もキャンプ場も賑わいを見せるこの時期、私はあえて「どこにも行かない」という選択をします。

お気に入りのアウトドアチェアをベランダに出し、お酒を一杯。そして、ランタンの暖かな光の下で一冊の本を開く。
実はこれが、どんな遠くへ行くよりも深い「旅」になることを知っているからです。今回は、おうちキャンプの夜を「極上の冒険」に変えてくれる、魂を揺さぶる3冊をご紹介します。

1. 野田知佑『日本の川を旅する』

――ベランダに川のせせらぎが聞こえてくる

日本のカヌー文化を築き上げた巨星、野田知佑さんの代表作です。私はシーカヤッカーとしても尊敬する先生で、またその体験が自分の日記を読み返すようにじっくり伝わってくる文章です。この本はカヌー犬・ガクと共に、日本の美しい川を巡り、焚き火をし、魚を釣る。

「あぁ。こんな時間が過ごしたい」

野田さんの文章を読んでいると、不思議なことが起こります。マンションのベランダにいるはずなのに、耳の奥で川のせせらぎが聞こえ、風に混じって焚き火の匂いがしてくるのです。

おうちキャンプでの楽しみ方:
ぜひ、冷えたビールか、少し安めのウィスキーを傍らに。特に文章中にもウィスキーは出てくるので、必須アイテムです。ウィスキーの香りとともに野田さんの「自由への哲学」は、現代社会の窮屈さを忘れさせ、心を透明にしてくれます。

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2. 内田正洋『シーカヤック教書』

――都会の真ん中で「野生」を思い出す

シーカヤックの第一人者である内田正洋さんが、海という巨大な自然とどう向き合ってきたかが記された一冊です。瀬戸内海をシーカヤックで横断する「瀬戸内横断隊」の初代隊長が綴るのは単なる技術書ではありません。これは、自然の一部として生きる人間の「覚悟」の記録です。

海原を渡る緊張感、波のリズム。自分のことを「おいら」とよぶ内田さんの言葉を通して、焚き火を囲んで話すかのように自然への畏敬の念を思い出します。
「私もチャレンジしたい!」心を奮い立たせてくれる一冊です。

おうちキャンプでの楽しみ方:
静かな夜、あえて部屋の電気をすべて消して読んでみてください。カセットコンロの小さな炎を見つめながら読み進めると、自分の内側にある「野生」が静かに目覚めるのを感じるはずです。

3. 椎名誠『わしらは怪しい探検隊』

――「仲間と外で遊ぶ」ことの根源的な楽しさ

最後の一冊は、やっぱりこの人。「シーナ隊長」こと椎名誠さんの伝説的エッセイです。
これ見よがしにキャンプの魅力をぶつけてくるのではなく生活の一端の楽しみのキャンプを思い出させてくれます。
まるで仲間の話を聞いているかのように引き込まれます。
腹を抱えて笑えるバカバカしいエピソードの裏側に、「キャンプって本来こういうものだよな」という原風景が詰まっています。

自由で、無鉄砲で、どこまでも楽しそうな大人たちの姿。思わず「そうそう」って大きく頷くかも😄
それを読んでいるだけで、おうちキャンプの夜がグッと賑やかで楽しいものに変わります。

おうちキャンプでの楽しみ方:
マルチロースターで厚揚げやちくわを炙りながら、リラックスしてページをめくってください。「次の連休は、どこへ行こうか」そんな幸せな想像が膨らむはずです。

最後に:本を開けば、そこがあなたのベースキャンプ

 

おうちキャンプの醍醐味は、準備や移動に追われない「心の余白」にあります。

その余白を、かつての冒険家たちが紡いだ言葉で埋めていく――。それは、物理的な移動距離を超えた、贅沢な精神の旅です。

このGW、ベランダをカヌーの上に見立てて、遠い川の流れに思いを馳せてみませんか?

あなたのベースキャンプに、最高の一冊を。

 



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